『屋台ラーメンおやじ物語〜第三話〜』
昨日の暗い営業マン。
心に一筋の光が‥
「へい、いらっしゃい!」
「よ、お客さん。いやぁ、嬉しいね〜来てくれて。」
「今日も専用ラーメンでいい?えっ、普通の?普通でいいの??」
「あっそ。」
いつものように、大将はこの前と同じく楽しそうにしている。
身振り手振りを交えながら「世界で一つだけの花」を口ずさみ、ツーコーラスを歌いながら、ラーメンをゆっくり作った。
しかし、歌詞は「ありがとう」の連続であった。
「へい、お待ちぃ!」
「今日も美味しいよ、熱いからね。チャーシューはサービスだぜ。」
「どうだい、うめーだろー。」
「うちのラーメンはね、実は、そのときによって味が変わるんだ。作り手の気持ちと食べ手の気持ちで。。」
大将は、なんとなく客の目頭に光るものを感じ、しゃがんで器を洗い始めた。
同じ歌を歌いながら。。。
「ありがとう。おつゆまで全部食べてくれて嬉しいよ!」
「はい、600円ちょうどね。また、今の時間来てね!今度の味が楽しみさ。」
「ありがとう。」