『列ができてもコピー機が1台以上増やさない』
コピー機が風通しを良くする
日本で一番休みの多い会社として有名な【未来工業】。
この会社にはコピー機が1台しかありません。
なぜだと思いますか?
社員は780人という大所帯にもかかわらず、コピー機が1台しかない。
そのため、順番を待つ列ができるのだそうです。
見学に来たある経営コンサルタントがその列を見ると、
「もう2、3台入れたら待ち時間もなくなり、本来の仕事に時間を割けるので生産性が上がりますよ。売上高も数%は上がります!」と当たり前ですが、アドバイスしてくれたそうです。
ところが、創業者の山田社長相談役はこう答えたのだそうです。
「コピー機がもう2、3台あれば、並ばずに済むという事は、重々承知しています。しかし、もっと列ができたとしても、わが社はこれ以上コピー機を増やしません。普段、部署が違うため、いない社員がコピーするために並ぶことで、待っている間に前後の人とおしゃべりができますからね〜。それでいいんです。」
あえてコピー機を一台にし、“全社員のコミニュケーションの場づくりをして、風通しを良くしよう”ということだったのです。
つまり、重箱の隅をつつくようにして効率上げようとするのではなく、社員同士のコミニュケーションを高める。
風通しを良くすれば、生産性は黙っていても高まるのです。
“生産性を高めるのは管理ではなく、社員のモチベーションを高める環境にある”ということを教えてくれている例です。
【*2010年*坂本光司著;「日本で一番大切にしたい会社2」より】